顎関節症の診断
適切な診断と治療のための情報収集
かみ合わせの障害(顎関節障害、咀嚼系筋肉障害)の場合、今までにかかった病気(既往症)の情報は、適切な診断と治療をおこなううえで欠かすことができません。当院では、初診時にご記入いただくアンケート(問診)のほかに、以下の情報を集めて、送っていただいております。
- 病気・症状の経緯
病気、痛みがいつはじまったか、どのような経過をたどったか、今まで誰の治療を受けたかを、おおよその日付で時系列にまとめたもの - 医療関係者の連絡先
その病気の治療のためにかかった医師、歯科医師、治療師等の住所、電話番号のリスト - 薬の情報
現在服用中の薬、過去に服用していた薬のリスト(誰から、どのような理由で処方されたかも含めて) - 検査情報
他の診療所、医療施設でレントゲン撮影や臨床検査を受けられた場合、その写真、検査結果を当院まで送ってもらうよう手配
触診
触診では、咀嚼筋と舌骨上筋群、顎関節の痛みの把握や、開口路、開口量の観察などをおこないます。 これは、主に、収縮し、衰弱した筋肉内の筋繊維の、触診可能な過敏帯の局部的圧痛点(トリガーポイント)を把握するためのものです。
トリガーポイントのメカニズムについては、専門家のあいだでも、論争が繰り広げられていますが、トリガーポイントごとに典型的な痛みのパターンがあるとされています。
同時に、トリガーポイント以外の部位が痛みの発生源となっている場合についても考慮し、診断をくだします。
咀嚼筋、舌骨上筋群の触診
咬筋
側頭筋
後頭部
胸鎖乳突筋
顎二腹筋
内側翼突筋
外側翼突筋
顎関節の痛みの把握
顎関節外側
開口路、開口量の観察
開口路は、患者さんの症状を、医師の判断する徴候を結びつけるうえで、大変重要なヒントとなります。
パノラマ/顎関節X線診断
パノラマ
パノラマ・顎関節X線診断は、顎関節症で顎が変異してしまった患者さんの診断に用います。画像上で顎の状態を確認、安定した位置に誘導して、そのデータを咬合器に伝達することでスプリントを作成します。
従来のシュラー法というレントゲン手法は規格撮影ではないので、当院ではサジタリウス3000という顎関節規格撮影装置を採用しています。
顎関節規格撮影装置
顎関節規格撮影写真をトレースしたもの
MRI
MRIは、顎関節の動きを知り、診断を下すうえで欠かせない情報です。当院にはMRIの施設がありませんので、院外にて撮影をお願いしております。
口腔内写真
お口のなかの状態を写真撮影します。
顎関節症治療の目安(保険診療/自費診療)
- 費用の目安
- ハードスプリント作成の場合自費診療165,000円(税込み)(顎運動採動、顎関節レントゲン、CTを含む)
- 通院回数/治療期間
- 月4回程度/2か月~12か月 ※個人差があります
- 副作用・リスク
- スプリントの装着を怠ると、治療期間が長引く場合があります
●初診時にご記入いただくアンケート(問診)については下記の「総合歯科診療」からご確認ください。