顎関節症の症状
顎関節症には、顎関節周辺に痛みがある、口が大きく開かない、顎関節のあたりで音がするといった特徴的な症状があります。また、これらの症状以外に肩こり、偏頭痛をはじめとする不定愁訴が起こる場合もあります。
“症状”と“徴候”
“症状”と“徴候”は明らかに別のものです。たとえば、問題があるのは左の顎関節でも、それを補うために負担がかかる右の顎関節に症状が出ることがあります。受診される際は、日頃から感じられている“症状”をおきかせください。当院では、視診、問診、触診、聴診、X線診、咬合診などを総合して、“徴候”を判断いたします。
顎関節周辺に痛みがある
顎関節は、下顎の付け根にあります。耳の前を触って、口を開け閉めしてみてください。
関節が動いているのがわかりますか? これが顎関節です。痛みを感じているのはここと、正しく指せるようならば、顎関節症の可能性は高いと考えられます。
また、こめかみや頬のあたりが痛むこともあります。これは、顎関節周辺の、側頭筋、咬筋、胸鎖乳突筋、第二腹筋、外側翼突筋、内側翼突筋といった筋肉の痛みです。
口が大きく開かない
口を開けたときに、指を縦に3本入れることができますか?
顎関節症では、口が開きにくい、口を大きく開けられない、急に口が開かなくなったなどと感じることがあります。目安として、指3本が縦に入れば、大丈夫。痛みを伴う場合もありますが、痛みがない場合もあります。片方の顎関節がロックされてしまった場合には、まっすぐに口を開けられなくなったり、動きが悪くなってしまったりします。
<開口障害/ Closed rock>
~開口障害の時~
開口路が斜走型のとき
3横指入らないとき
~正常時~
3.開口路が直線型で開口
3本横指が楽に入る。
上下切歯間距離は平均女性では42㎜
顎関節のあたりで音がする
食事をしているときや、話をしているとき、あくびや大きく口を開いたときに、顎関節のあたりでゴリゴリ、コキコキ、ミシミシといった音がすることがあります。これも、顎関節症の症状のひとつです。
音の種類により、顎関節の状況は異なります。顎関節は耳のそばにありますので、関節の音を一番感じるのは本人です。音が気になったら、顎関節の状況を検査して、まずは音の原因をはっきりさせましょう。
顎関節のあたりで音がする関節雑音
1. クリック(弾撥音)・・・・・カクカク、ガクガク、ポキポキ、パキンという音
2. クレピタス・・・軋轢(あつれき)音、捻髪音・・ざらざら、シミシミ
3. その他・・・明確な音はないが患者さんによっては「ガクンとずれる」と表現されることがある。(ポンピングと呼ばれる)
※ クリックの有症率は8~41%と報告されています。
顎関節症の症状
安静時には症状はないのが特徴で、主に開閉口時、かみしめ時に痛みがあります。
~3つの大きな特徴的な症状~
- 痛み
- 開口障害
- 顎関節のあたりで音がする
~その他の特徴~
1. 歯の咬み合わせが変だ
2. 耳鳴りがする
3. 肩こり、首のこりがひどい
4. 顎関節やその周囲が腫れている感じ
等々
顎関節症からくる不定愁訴
顎関節の異常は、不定愁訴として現れることがあります。他の科を受診しても、長年原因がわからず、症状が改善されない、以下のような症状はありませんか? もしかしたら、顎関節症が原因かもしれません。
くわしくは、不定愁訴にお悩みの方へ をご覧ください。
- 歯のかみ合わせが変だ
- 耳鳴りがする
- 肩こりや首のこりがひどい
- 顎関節やその周辺が腫れている
- 偏頭痛、めまい、吐き気など、さまざまな症状がある