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顎関節の仕組み

歯科医が扱う“顎関節”は、体の他の部位の関節と名称こそ類似していますが、正中線(体の真ん中)をまたぐ関節頭が前後、左右、上下に複雑な動きをおこなう特殊な関節です。また、互いにもう一方の顎関節に影響を与える相互関係にある点も特徴的です。

どうして顎関節症が起こるのか?

顎関節症は他人から見ると大した外傷や発熱など見られるわけではないのでなかなか伝わりませんが、ご本人は様々な症状に見舞われ、つらいものです。
ではなぜ、このような症状が出てしまうのでしょうか。

<顎関節症の主な原因>
1)骨格の異常
2)歯牙の欠損
3)体の中心、上顎下顎の中心のずれ。
4)楽器の演奏による顎への負荷
5)生活習慣(テレビの位置、頬杖など)
6)手術、事故の後遺症
7)精神的ストレス
8) リュウマチ

毎日の生活の中でも、顎関節を引き起こす原因になることもあります。
ぜひ思い当たる部分は改善しましょう。
また、症状が出てしまっている場合には早めにご相談ください。

※American Academy of Orthotics & Prosthetics(AAOP)に、咬合と顎関節症との関連性について、以下に示す1~5のガイドラインが明らかにされている。
① 2mm以上のRCP(Detruded contact position:咬合性外傷の診査および客観的な咬合調整の効果判定)とICP(Intercostal Position:中心咬合位)のズレ
② 6mm以上のオーバージェット
③ 臼歯の多数歯欠損
④ 片側性クロスバイト
⑤ 前歯部開咬顎関節症
(日本顎関節学会より)

顎関節の仕組み

顎関節の仕組み

顎関節は、耳の穴の前方にあって、下顎頭という骨のでっぱりと、下顎窩という骨のへこみ、そして関節円板からできています。
関節円板は、帽子のように下顎頭にぶらさがっていて、顎が動くときに、骨と骨がこすれないように、クッションの役割をしています。関節円板のおかげで、顎関節はなめらかに動くことができるのです。

正常な顎関節の動き方

正常な顎関節の動き方

顎関節は、前後運動をする関節です。
口を閉じているとき、関節円板は下顎頭と下顎窩の間にあり、口を開けると、関節円板は下顎頭といっしょに前方に移動します。

関節円板に異常がある場合

口を開けると痛い、大きく口を開けられない、顎を動かすとカクンカクンという音がするという顎関節症の症状は、関節円板のズレや変形が原因となっています。

関節円板の変形が大きい場合
関節円板の変形が大きい場合
関節円板の変形が小さい場合
関節円板の変形が小さい場合

関節円板の変形が大きい場合

関節円板が前方にズレていたり(前方転移)、変形が大きすぎたりすると、口を開いたときに、円板の転移によって関節空隙が狭くなり、シャリシャリといった音がしたり、下顎頭がひっかかって、痛みを伴う開口障害がおこったりします。

関節円板の変形が小さい場合

関節円板の変形がそれほど大きくない場合は、ひっかかりがはずれて、下顎頭が関節円板の下にもぐり込むことができるので、口を大きく開けることができます。そのときにカクンカクンという音が出るのです。

顎関節症の原理

顎関節症の症状には主に関節円板前方転位関節円板の変形症があります。

⏹正常顎関節

正常顎関節の図

関節円板が正しい位置にある状態です。顎の動きに合わせて、上顎と下顎の間のクッション役を果たしています。

 

⏹関節円盤前方転位

関節円盤前方転位の図

関節円板が前方にずれています。お口を開き始めても関節円板が前にずれており、最大開口時にクリック(カクンという音)が発生して元に戻ります。また閉口時に元の転位位置に戻る際に再度クリックが発生する場合があり、この開閉口双方で発生する場合を相反性クリックと呼びます。

(一般的に関節円板の転位量が少ない、あるいは転移による変形が小さい場合には開口/閉口時のみの単発クリックとなり、転位量が大きいか変形が強いと相反性クリックになるといわれています。しかし前方転位には外方、内方への転位要素も加わった回転転位もあることから、その明確な発現機序は不明です。)

 

⏹関節円盤の変形症

関節円盤の変形症の図

関節円板が変形しており、お口のどの位置にいても正常な動きになりません。

 

顎の周りは多くの骨、軟骨、筋肉が作用し、様々な症状を引き起こします。
もし、顎の周りの不快な症状や不定愁訴でお困りでしたらぜひご連絡ください。

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